第11号 雁字搦(がんじがら)めの心 (2012.12.大雪)
無意識と折り合える関係を探して
11号 ― 19話 『 創運100態 その4 雁字搦めの心 』より 抜粋
○強制され続ける意識
感情をはじめとする認識、判断、選択など我々の意識活動は、常に無意識からの制約を受けている。私はこの働きを無意識の「強制作用」と呼んでおり、それは「投影作用」、「共鳴作用」と並んで、衝動エネルギーによってもたらされている。
一般的に、強制作用は衝動エネルギーの高まりとともに強まるが、普段は比較的穏やかだ。だから我々は、ある程度自由な意識活動ができるのである。ところが、
この強制作用が常に強い人も存在している。彼らの意識活動は、普通の人よりはるかに自由度が低く、興味、嗜好、感情表現も衝動エネルギーの制約の範囲内でしか行なわれない。
我々は時として激しい怒りに苛まれるが、それはあくまでも「時に」であり、四六時中ではない。しかし、ここに絶えず怒りの衝動に干渉されている人がいたらどうだろうか。意識機能はすべて怒りに彩られ、それは感情表現のみならず思考パターン、人間関係、健康状態などすべてに反映される。この状態が長く続けば続くほど、性格もそれに見合った狭量なものになり、健やかな人生を送ることができない。(中略)
本話で述べるのは、意識と無意識のコネクションが強制作用によって過剰に強くなったがゆえの衝動疾患である。この場合、無意識が意識を十字架に張り付けるがごとく、自由な活動を奪うことで数々の問題が生じるのだ。タイトルで述べた「雁字搦めの心」とは、こういう意味なのである。(中略)
○無意識と折り合う創運
では、雁字搦めの心を持った人は、どうしたらいいのだろう。どうしたら、運命軌道を変えることができるのだろうか。
彼らは心を衝動の支配から取り戻さなければならない。それには、まず「焦らない」ことだ。
いくら焦ったところで、無意識と歩調を合わせなければ、心もココロも変化することはない。そのためには、月次リーディングを淡々とこなし、創運プロセスを進めるための土俵を作ればいいのである。知識依存型の現代人にとっては、この行為が意味のないもののように思えるかもしれないが、衝動をケアするうえでは非常に重要なプロセスなのである。
それができたら、次にくるのは「我が心我が物と思わず、我が思い我が物と思わず」、期間を決めて私の言う通りに実践することだ。別にずっと続ける必要はなく、半年なら半年、3ヶ月なら3ヶ月と期間を決めて、私の指導に身を委ねればいいのである。そうすれば、信頼関係も強められ、記憶修習は進み、無意識世界の法則や創運の基本的考え方もある程度は入ってくる。
しかしもっと重要なのは、私との共鳴のプロセスが深まることである。瞑想できない人にとって、私の無意識と共鳴することは、無意識や衝動を認識するうえで、この上なく重要なことだ。共鳴によってこそ、封印を解き自己の無意識に亀裂を入れ、血族衝動を弱めることができるのである。
決めた期間が過ぎてうまくいかなければ、辞めればいい。しかしこれをきっかけに、創運プロセスが進めば、一生使える財産を手にすることができるのである。
創運とは、ただ無意識に逆らうだけでなく、無意識と折り合える関係を探り、落としどころに持っていくことだ。それができれば、衝動は自分の味方になってくれる。味方であるはずの心が最大の敵になっている人にとっては、この方法は最も合理的、かつ、効果的なのである。
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