第50号 出生衝動各論3 バイタリティ抑圧衝動 その2 (2017.5.小満)
生命力を抑えつけるバイタリティ抑圧衝動
50号 ― 65話 『生きる力をつぶす病』より 抜粋
抑圧系衝動のひとつに、「バイタリティ抑圧衝動」がある。これは、
自己の生命力を不自然に抑えつける衝動趨勢だ。
我々は、自分に与えられた生命力を、愛、家族、人の輪、知性、権力、財など何らかの形に具現させることで娑婆を生きている。
しかしこの衝動を持つ人は、肝心の生命力の発現を「もう一人の自分」が抑えつけてしまうのである。まさに「ブレーキを掛けながらアクセルを踏んでいるような状態」だ。
これが人生に与える影響を端的にまとめると、次の3つになる。
・時間を浪費させる
・喜びを享受できない心を作る
・プラーナ分布を下げる
時間を浪費する傾向は、バイタリティ抑圧衝動を持つ人が運を創れない最大の理由になっている。誰かに抑えつけられたり自らを抑えつけたりすることで、何もできない、しない状態が続き、時間だけが過ぎていく。この傾向は、抑圧系衝動すべてに通じるが、バイタリティ抑圧衝動は特に強い。
(中略)
生命力が抑圧されれば、感情表現にもブレーキがかかり、楽しいことや嬉しいことがあっても素直に喜べず、怒りもストレートに表現できずに鬱屈することになる。暗い人生になるのも当然だ。
生命力の抑圧は、プラーナ分布にも影響し、下部のチャクラから上昇しない状態をもたらす。これは、生命力の弱い人との縁、狭く浅い思考パターンなどをもたらし、人生全体に影を落とす。
以上のバイタリティ抑圧衝動の影響は、フラストレーションとぎこちなさをもたらし、心の働きや行動における様々な障害を生み出す。
・自己中心の考え方しかできず、他者の視点からものを見ることができない
・自分の考えを主張できない
・心から楽しいと思うことがない
・心に怒りが鬱積しており、発散する相手を絶えず探している
・ルールや規律などで他人を拘束することに快感を覚える
・いじめや攻撃の対象になってしまう
・何につけても自信がなく、自分を責める
・願望を達成する力が弱い
・動きが遅く、後手後手に回るため、すべての局面で支配される側になる
・肉体的、精神的を問わず、何かに拘束されている状態を好む
・エネルギッシュな人との関係を拒む
・身体が硬く、関節を中心に痛みを抱える
通常、個々の衝動は単純に吉凶に分類することはできない。ひとつの衝動が、プラスの出来事をもたらすことも、マイナスの出来事をもたらすこともあり、正負のいずれかに限定されないのだ。
しかし、
バイタリティ抑圧衝動に限っては上記のような負の面が多く現れやすく、しかもコントロールしにくい。
全文は、非会員の方もこちらからご購入いただけます。
バックナンバー一覧に戻る。